難度海どんぶらこブログ

つれづれ書いていきます。

病理専門医合格体験記

病理専門医合格してました!

 

大して意味が無いし給料も増えない(どころか今後どんどんお金を取られる)とわかっていても、とりあえずうれしいものです。

 

昨日(9月13日)14時25分に、合否結果のレターパックを本日発送したというメールが受験生に送られましたが、その通知を見たときはいきなり心臓がぎゅっっっとなって、じわぁぁっと脈が速くなるのを感じました。それだけ緊張したということですね。

東京からなら翌々日金曜日に届くのだろうなと思っていましたが、まさかの翌日、今日のお昼前に病院に届いていました。切り出しが終わってやれやれとトイレに行ったりして、昼ご飯でもと思ってデスクに戻ったら、そこにもうレターパックが置いてありました。

驚いた勢いで開けてしまったのでそこはあまり緊張なく、開けた瞬間にクリアファイルの一番手前の紙に「合格」と書いてあるのが見えてしまいました(笑)

 

午後に早速郵便局まで散歩して、認定料20000円と専門医分会費6000円を学会に払い込んできました。高いよ。年収いくらだと思ってんだよ。

 

例えば機構専門医を取得したら、自分の保険診療医療費が一生タダになるみたいなオマケをくれてもよくないですか?ねえ、厚労省!…厚労省くんってば!……ねえ聞いてる!?ねえ…

 

ゴトリ

 

…し、死んでる…!?

2023年度病理専門医試験 ほんとの逆評定

逆評定というタイトルを前日の記事につけておいて、ただの長文愚痴祭りになってしまったので、反省して項目立てて文句を書いていこうと思います。

 

①III型試験について 総合評定 B

・写真が大きめなのはgood。

・実際の症例を使っているわけではないような印象がやはりあった。取ってつけたようなガチガチのNASH肝硬変で食道静脈瘤や脾腫があるに、そこまで採血データは派手ではなく、高血圧と糖尿病だけで通院していたっていう病歴がちょっとあやしかった。だいたい高血圧治療やってて収縮期血圧130〜140mmHgってかかりつけ主治医ダメなのでは。心肥大まで生じてるわけだし。

・既往の認知症(軽度)ってなんやねん。アルツハイマーって書くと受験生に丸わかりになってしまうから避けたのだろうけど、別にアルツハイマーと書いてくれてもいいと思った。

・HEだけで弱めの嚢胞状中膜壊死、高分化肝細胞癌RFA後の残存有無、海馬の変性所見を見抜かせようとする試験でした。どれも初めて見ましたよ僕は。ありそうで今まで避けられてたタイプの出題。クイズのためのクイズでした(負け惜しみ)。

・肺の写真とバーチャルスライドはあれ何だったのか面接終わってもよくわからない。

・いやでも中膜壊死はアルシアンブルーを提示してもええでしょ普通は。面接で救済されたことを祈ります。

 

②I型試験 総合評定 C

・横書きのPDFに1ページあたり4分割の写真では、核所見が見えまへん。前立腺針生検をあんなループ像で診断させるかな普通(腺癌の場合はGleason Scoreを書け的なことを書いてましたが、通常型腺房腺癌ではなかったですよねアレは。導管腺癌、基底細胞過形成、HGPINと各受験生で解答がとても割れてました)

・全胞状奇胎でp57Kip2を書かせる謎出題。暗記力を試してるんですかね。

・まさにクイズのためのクイズでした。日常臨床ならもっと臨床から鑑別が挙がっているはずです。細胞検査士の試験とか日臨技フォトサーベイと似たようなテイストでした。

 

③IIa問題とIIb問題 総合評定 B(一部はC)

・典型例とは思われるものの、普通は免染で確認が必要だろという疾患をHEで判断させるような出題がチラホラ(硝子化索状腫瘍と髄様癌の鑑別とか、もっと硝子化はっきりしてくれないと、バーチャルだとアミロイドと区別難しいよー、境界が明瞭だから硝子化索状腫瘍を選ばせたいんだろうけど)

・IIb問題の微小嚢胞状付属期癌はなぜ出題されたのか謎。典型例なのだろうけどあんなレアなの知らなきゃ答えられないよ。ミキちゃんの本にも載ってましたっけ?外科病理にはさすがに載ってますけど。専門医試験に出すような疾患ですかねえ。

・IIc問題だったかもしれないけど、ついに毛様細胞性星細胞腫の遺伝子変異を選択式で答えさせる出題がありましたね。唾液腺癌とかならともかくあれはノーマークでした。わかるわけないだろ。

 

④IIc問題 総合評定 D

・1問目は鞍上部腫瘍という記載だけからチャタだらけの迅速標本を見て、ジャーマノーマを想起できませんでした。実力といえばそれまでかもしれないけど、脳腫瘍はやってる施設が限られるし、もう少しひねりのない問題を出してくれてもいいのに。

・基本的に迅速標本は下手くそな出来のものをわざと選んでいる可能性を感じました。めくれ上がっているものも多かった。胆管断端の標本なんて壁が一部出てませんでしたよ。作り直しですよ日常臨床だったら。

・細胞診はバーチャルスライドでZ軸方向にピントを7段階ずらせるのはいいのだが、スクリーニング範囲が膨大すぎてしまう。単純計算で7倍見なきゃいけないわけです。NILMをNILMと言い切るには全ての範囲を見る必要があるので、しんどみを感じました。

 

以上です。試験時間は結構タイトで、じっくり考えてる時間はそれほどありません。過去問は答えと正答率だけが公開されてますが、やはり受けてみないとわからないことは多かったです。東京の大規模な医局とかならともかく、自分の前の数年間に入局者がいないような地域の専攻医は、古い試験の古い情報しか得られないためかなり不利だと思いました。

典型例を出して答えさせるというよりは、流行りの参考書を読み込んで、ひっかけ問題への対策もしておく必要があります。肺内リンパ節とかも出題されちゃいますからね、焦ってリンパ腫とか書かないように。

とにかく精神的にも体力的にもしんどい試験です。そのわりに得るものは無いのですが…。

 

2023年度病理専門医試験 逆評定

「喉元過ぎれば熱さも忘れる」という言葉があるように、大学入試、医学部定期試験、CBT、OSCE、卒業試験、医師国家試験など、今まで様々な関門を潜り抜け、その度に苦しんできたわけだが、一度それを突破してしまうと途端に興味を失ってしまい、試験や教育制度の問題点などについて考えることをやめてしまうものだ。「勝って官軍」・・・とは違うか?

 

とにかく批判的な視点は、資格試験に受かってしまうと途端に薄れてしまう。既得権益に乗っかっていくので精神的にも対外評価も安定が得られる。しかし、今後も試験自体は毎年毎年続いていくのである。今後の人たち(僕も落ちてるかもしれないし)のために、そういう視点からの意見も薄れないうちに残しておきたい。

 

①病理診断クイックリファレンスについて

本年度は2018年に出版された病理診断クイックリファレンスの改訂が行われ、「病理診断クイックリファレンス2023」が改訂された。ちなみに書店の人を通じて文光堂に確認したのだが、「病理診断クイックリファレンス2023」という名前はまるでこれから毎年改訂が行われて「〜2024」「〜2025」が出版されていくかのような誤解を与えるが、その予定は文光堂には全く無いとのことである。数年間はこの本が試験対策のバイブルになっていくのは間違いない。

そもそも、東大の目の前にある文光堂は、コロナ禍前に1階の実店舗部分を閉めてしまったりしていて、それほど景気の良さそうな出版社には見えない(失礼)。毎年のようにクイックリファレンスを改定していくマンパワーは、文光堂にも、病理学会員にも存在しないだろう。

しかし病理診断クイックリファレンス2023には、例えば隆起性皮膚線維肉腫が第17章(骨・軟部)と第18章(皮膚)で被っていたり、孤立性線維性腫瘍も第17章と第19章(神経)で被っている。ご愛嬌と言えばそれまでだが、執筆依頼の段階で、分野毎の取りまとめを行なっている病理医の先生に、縦割りの丸投げになっている可能性がうかがえる。横紋筋肉腫のページでは小児に多い腫瘍であることに一切触れられていないなど、ピアレビュー(使い方合ってる?)がやや不足している印象もある。執筆者の著作権などの問題もあるのかもしれないが、過去の2018年のものがせっかく存在しているのだから、変えるべき言い回しは変え、残すべき文章や写真は残すというような編集方針がとられないのは、勿体ないことだなと思う。そもそも学問は先人の知恵の蓄積によって成り立っているのであり、それらをうまく利用してこそな気もするのだが、病理学会に限らない話、アカデミアの人間は自分のオリジナルの文章を公開してウケを取ってナンボだという風潮もあるため、せっかくよいアトラスが生まれても執筆者が鬼籍に入ったり、やる気を失ったりするとそれっきりになって改訂されず絶版になることが多い。非効率極まりないと個人的には思っている。

話が逸れたが、2023年度の病理専門医試験は正直病理診断クイックリファレンスから9割以上の設問が出題されていると言っても過言ではなかった。胞巣状軟部肉腫など、過去出題されたがクイックリファレンスに載っていないものであったりとか、肺内リンパ節、気管支原生嚢胞なども出題はされたが、他の本で勉強したからといって答えられる答えられないという差はつかなかったと思われる。来年以降どうなるかはわからないが、少なくとも今年度は結果的に、病理診断クイックリファレンスを買って穴が開くほど読み込めよという出題側の意志が反映された試験だった。

医局によっては勤務先や大学に受験者の一つ上の世代がいないということも十分あり得る。受験者のなかにはまわりの「大先輩」たちから、「俺の頃は組織病理アトラスしかなかったよ」とか「私の時は彩の国なんちゃらセミナーの本からよく出たよ」「病理組織の見方と鑑別診断がイイよ」などとアドバイスをもらい、鵜呑みにしてそれらを軸に勉強して、病理診断クイックリファレンス2023の読み込みがやや不足してしまった人もいただろう(僕もそのテの一人で、腫瘍鑑別アトラスなどを読んだりもしてしまった)。

本年度の試験から言えることは、やはり出題者たちは学会のお偉いさんたちなのであり、素直にその時期にホットな教材から出題してくるということである。たとえ過去のバージョンの方が記載がわかりやすかったり、綺麗な写真が使われていたとしても、チラ見程度にしておいて最新のものをしっかり読み込む方がコスパはいいと思う。

 

②病理医の地域偏在と給料事情と専門医試験の勉強(専攻医教育)についての雑多な考察

日本人の人口分布から言っても仕方ないことだが、学会のお偉いさんたちは地域的にも関東や旧帝大に集中している。かつては川崎医科大学東海大学などに著名な先生たちが若手の頃集まっていたなどの話もあったりするが、現代では地域偏在はかなり深刻になっていると思う。大きな都市圏に住んでいると、意外とその外側のことは見えなくなるものである。地方の病理専攻医は貴重な戦力であり、病院の仕事にガッツリ従事させられていることも多い。したがって都会の病理専攻医のように大学院と専門研修を並行したりというのはあまり現実的ではなく、土日も病院の仕事に従事して教育機会への参加を逃していることも多い(ただ、都会の専攻医のほうが実際は薄給で遠い地域に外勤を強いられ、研究の手伝いもさせられたりするので一長一短だが)。とにかく地方はマンパワーがないので大学病院ないし地域全体ですら各臓器の専門家が揃っていないことは多い。

そこで専攻医は本来様々な講習会に参加したりなどして研鑽を積む必要がある。ここまでは仕方のないことである。

ただ問題がある。

病理専攻医は給料が(他科と比較して)安いのである。そして剖検が入れば最優先で担当させられるため(まともな責任感があれば)おいそれと土日を使って旅行に行ったりはしづらいのである。

はっきり書いてしまうが、病理専攻医は国公立大学勤務なら額面給料25-30万円程度、住宅手当やボーナスはない。大学からの手取りは時間外を含めて20万円前後である。週1回の外勤が標準と思われるが、医局によっては病理医なのに場末の療養型病院の宿直を斡旋されていたりするため、バイト代は地域で変動がある。ツワモノは自分で派遣会社に登録して健診や献血や当直バイトに勤しんでいるが、その元気がない専攻医も多い。仮に大学勤務で週1回6万円のバイトに行っているとすると、額面年収は30x12+6x50=660万円程度である(地方の市中病院勤務なら800〜1100万程度だが、病理専攻医はアカデミアと切り離しにくい存在なのでその年収が維持されることはやや難しい)。

世間一般の水準的には高めの年収かもしれないが、同年代の医者の中では最底辺と言ってもいいだろう。正直、同い年で大企業に就職した人、公務員になった人、教師になった人などとは大差無いどころか、福利厚生面(企業年金労働組合、人間ドック受診助成、有休消化、盆正月休み)でもボロ負けの存在である。

また話が逸れてしまったが、病理専攻医は以上の理由から、しみったれていることも多い。はっきりいって勉強のために何万円もする講習会に嬉々として参加したり、地方で行われる学会まで足を伸ばすほどの旅費も時間もない。いや、実際はお金も時間も多少はあるのかもしれないが、なんか学会や都会の病理医たちに金をむしり取られているだけという印象が拭えないのである。同世代の高学歴のなかで対して年収も高く無いにも関わらず、土日を潰してお金を払って勉強に励む聖人はそこまで多く無いのが実情である。逆にそういう聖人はそもそも実家が太かったり、よく出来た奥さんと結婚していて仕事に集中できる環境が存在していたり、あるいは常人には理解し難いレベルで仕事に命を懸けている「アカデミアサイコ野郎」だったりする。そういう例外超人の集まりで構成された集団では、ほどほどにお金を稼いでほどほどに休みたい常人の方が浮いてしまうような事態も、この業界ではよく見る光景である。

専攻医の勉強にもそういう傾向があり、名前は伏せるが、近年では某大学を中心としたオンライン若手勉強会のようなものが主催され、一部で好評を博している。はじめはたしかに若手の若手のために運営されている小さな集まりという印象だったが、そのうち規模が大きくなると有名な教授や有名大学の講師クラスが講師に招かれることも多くなったりしている。月額の会費を払って会員になる方式がとられており、まあ言ってみればオンラインサロンなのであるが、いつの間にか地位を確立して病理と臨床に広告をうったりもしている。会費はめちゃくちゃ高いというわけではないが、著しく安いということもない設定である。年収1000万ぐらいの人たちや普段サブスクリプションサービスにお金を払うことに抵抗のない人たちであればポイっと払える額かなと思われる。

なお、僕はAmazonプライムにもNetflixにも課金したことがないぐらいケチなので、参加したことは一切ない。それはお前がケチなだけだろという批判はもっともだし、そのオンライン勉強会が儲けのあまり出ない範囲で(ひょっとすると赤字で?)運営されているかもしれないことは重々承知なのだが、「いつまで内輪から小銭を巻きあげるつもりなんだ」という感じは常にどうしても思ってしまう。そもそも僕らは病理学会に毎年安くはないお金を払っている従順な会員なのであり、教育を受ける機会をもっと設けてもらってもいいのではないかと考えてしまう。学会とは別に毎度毎度お金が必要になるのはあまり気持ちのいいものではない。仮に必要なお金だったとしても、学会員から徴収するのではなく、学会員の「仕事」で恩恵を受ける人たちから協賛を得る仕組みを構築してほしいと思う。病理診断の仕事の性質上、製薬企業からの協賛は正直期待薄だが、そのそも内科や外科の診療の一定部分を病理診断は肩代わりしているのであり、汚い言い方だが間接的にでもお金を引っ張ってくることができる相手はいる気がする(検査関連の試薬や機器の会社もそうだが)。そもそもこの国の病理医は、人体の研究をしながら片手間で診断をやっていた過去の歴史があるため、病理診断に診療報酬がしっかりついたり、病理診断科が標榜できるようになったりしたのもかなり最近のことである。いまだにエクストラな業務である剖検をタダで引き受けたり病院の持ち出しで費用を工面していたりするのも、その時代から続く悪習と言ってもいいだろう。お金の話が好きではない人が多い(実際は裕福な開業医出身の子息であったり学者肌だったり)のは承知しているが、お金の面で病理医たちをもっと支援していかないと、これからインフレが進んで相対的に医者の給料が減っていく時代において大規模な講習会などは参加者が集まらず廃れていく可能性があると危惧している。そもそも医者の給料が相対的に低くなったら内科や外科の医者も少なくなるし、貧乏な病理に来る若手なんてもっともっともーっと減るだろうけど。

 

③病理専門医という資格について

病理専門医は実は診療報酬上あってもなくてもよい資格になっている(病理診断に5年以上または7年以上専従していることが証明できれば良い)。これは例えば名大第二病理学講座出身者など(聞いた話でうろ覚えだけど間違っていたらすみません)のように、基礎系講座出身者のお偉いさんだと学会専門医試験を経ずに偉くなっている人たちもいることに起因していると思われる。専門医を持っていなくても診断できるひとはこの世に意外とひっそり隠れているものです。逆も然りで、専門医持っていてもまともに働いていない人たち、周りにいるんじゃないですかねどの地域でも。

ちなみに2023年病理専門医試験の運営スタッフは東大病理関連ないし慶應病理関連の教授や講師クラスであったりその関連私大の大学院生の先生などと、学会事務局の方々であった(当然と言えば当然なのかも)。土日を丸一日つぶして試験監督とか問題用紙配りであったり、受験生の引率などをしている光景は少しなんというか・・・趣がありましたね。

試験専門スタッフの育成みたいなことも日本専門医機構サマが引き受けてくれればいいのにね。現状民間の会社へ受験受付サイト作成などを委託していたりするのだろうし、相当お金がかかって中抜きされている気がしますね。本当のところは知らんけど。

 

④希少がん病理診断事業および病理情報ネットワークのサーバ移転作業について

8月16日から8月31日にかけて希少がん病理診断事業(希少がん病理診断支援検討委員会 委員長 佐々木毅先生 システム担当 藤井丈士先生)および病理情報ネットワーク(病理情報ネットワーク管理運営委員会 委員長 宇於崎宏)のサーバが、現行のハウジングによるサーバ保守契約満了に伴うクラウド移設作業のため、利用停止されました。

正直お盆休みや年末年始に東名高速集中工事をやるようなものでしたよね。もっともバーチャルスライドで専門医試験受験生が勉強したくなるはずの、試験前の2週間に丸かぶりでした。九月1日は移動日にしている先生が多かったと思うので実質完全に受験生をいじめる移設作業日程の組み方でしたね。

小児腫瘍や脳腫瘍といった希少疾患は、一般市中病院であったり一部のデータ管理の杜撰な弱小大学病院では、典型像を確認することが難しいです。そういうときのためにあるサイトじゃないのかよ・・・って感じでした。過去の剖検問題のバーチャルスライドも病理情報ネットワーク内に保存されていたので、受験生は大変でした。一応完全にサイトが停止していた期間は数日程度だったように思いますが、バーチャル画像が開けたり開けなかったり読み込みがすごく重かったりというような不安定な状況が、試験直前までずっと続くこととなりました。いやはや、どうもありがとうございました。どうなってんねん。

 

ほんとはもっと色々書きたいけど全然話がまとまらないまま、だらだら書き連ねてみました。まとまりがないうえに、不満や愚痴や自分勝手な意見を吐き出すばかりで気分の良くない文章だと思いますが、問題点を忘れないようにするメモ代わりでもあるので、もしこの文章を偉い人が見かけて憤慨されても、場末の頭も性格も悪い若手の戯言だと思ってどうか許してください。どうせメモなので、怒られたら消します。

もちろん良いところもたくさんあるよ、病理診断科や病理学会、たぶん。

 

2023年度病理専門医試験受験体験記

# 病理医 # 日本専門医機構 # 臨床研修医 # 医学生 # 日本病理学会 # 専攻医 # 専門研修

 

需要がある話だと思うのでここで供養しておきます。必要な人には貴重な情報だと思います。感謝しすぎて惚れちゃったかわいい女の子は、ぜひラブレターをください。ブサイクと男の子は、ぜひお金かファンレターで僕を支援してください。

 

2023年9月1日(金)

家をゆっくり出発して16時ごろに布田の東横インにチェックイン。荷物を置いて調布駅まで歩いて、駅近のマルイの新宿さぼてんでトンカツを食べる。調布駅で明日明後日のバスの時刻を確認した後、飲み物を買ってホテルへ戻る。翌日の試験は昼からなので遅くまで勉強して就寝。

 

2023年9月2日(土) 試験1日目

7階に泊まったので西側とはいえ朝日の反射が眩しく、結局6時台に目が覚めてしまう。ホテルの朝食を食べてゆっくりオフィスカジュアルに着替えつつ勉強もしつつ支度をする。9時半過ぎに早めに出発して10時ごろ調布駅からバスに乗り、早めに杏林大学に着いた。コンビニに寄ってお昼ご飯を調達して11時の開場直後に試験開場である杏林大学の講義棟へ入った。

・会場受付では受験票を提示して顔写真と本人の顔を照合されるため、顔写真を過度に加工したり、顔面を過度に加工して臨んだりしないようにしましょう。2日目は受付無しで会場に入れます。

・受験者の年齢は最も若くて29歳のはずだが、おそらく29-30歳+2年ぐらいまでの受験生は全体の6割程度と思われる。30台半ばあたりの多浪・再受験・学士編入組っぽい人が2割、あとは1割謎のおじさん、1割謎のおばさんっていう感じ(基礎研究者や転科した人もいるからだろう)

・事前にジャケットとネクタイは不要との連絡があったため、男性で最も多いのはボタンつきのワイシャツや青っぽいオフィスカジュアルのシャツに、黒のズボン、革靴であった。ただ、2割程度の人は柄付きボタンシャツだったり、ズボンが灰色だったりした。着慣れていないためか、シャツがズボンからはみ出したまま歩いている人が数人いた。1割未満の人はネクタイつきのホストみたいな黒服を着ていたり、アロハシャツだったりしたが、おそらく得点には全く影響しないと思う。

・女性の服装はいろいろだが、一応きれいめ地味な色のオフィスカジュアルにしている人が多かった。靴もスニーカーではなく綺麗目なやつを履いてる人が多かった。

・開場の11時から集合時間の12時までは、試験会場でご飯を食べたりスマホを見たり、参考書を開いたりできる。やはり病理診断クイックリファレンスを読んでいる人が多かった。

・12時以降はIII型試験→I型試験→面接の順番で行われるが、その間、スマホの使用や参考書類の閲覧は禁止される(常に試験会場内に試験委員がおり、一応監視している)。ふたつきのペットボトルは試験時間中も机の上に置いて飲むことができる。お菓子類などの飲食は休憩時間に許されており、多少鞄をガサゴソしてお菓子を取り出すぐらいは多目に見てくれる。

・試験時間中はプロジェクターでデジタル時計と試験時間(何時何分〜何時何分まで)が表示されるため、時間管理に困ることはない。スマートウォッチの普及に伴って、受験生が腕時計をつけることは禁止されている。

・試験時間中や、面接の待機時間にトイレに行くこともできる。手を挙げると試験委員の先生が迎えに来てくれてトイレまで引率してくださるのでちょっとした介護気分を味わえるかもしれない。僕の後ろの席の先生は1時間に1回以上は頻繁にトイレに立っていて、抗コリン薬を使ってあげたいなと思った。ちなみにトイレに行っている時間も試験時間にカウントされるので、延長してくれることはない。

・試験の合間の休憩時間は10分15分程度だが、みんなトイレに行く。今回は会場が講義棟5階だったが、各階にきちんとしたトイレがあり、4階や6階にも分散したのでそこまで混むことがなかった。

・試験の休憩時間においても、不要な私語は禁止されている(トイレや廊下で軽く知り合いに挨拶する程度はできる)。そのため仲良し同士で集まって大声で反省会を開き、まわりの人間を不安にさせるような受験者の発生は未然に防がれており、精神衛生上良い。スマホも取り出せないので、気になった事項のチェックも試験の休憩時間には行うことはできない。

・机は大学の講義室なのでかなり前後に狭く、目の前にパソコンとマウスが置かれるので、必然的に解答用紙は右利きならパソコンの右側に置いて書くことになる。そのため、実は後ろの席の受験者からは答案を覗かれるリスクがかなり存在する(横側や斜め後ろからは覗き見防止シートが貼ってあるため見られないと思う)。また、バーチャルスライドで特定の組織所見をアップで見ていると、後ろの席やそのまた後ろの席からは目が良ければ丸見えである。時間的余裕があまりない試験なので、他人の答案をカンニングしているほど余裕のある人ならそもそも受かるかもしれないが、選択問題の丸の位置などは下手したら見えてしまうかもしれない。

・試験で配られる問題用紙や解答用紙は全てA4サイズであり、問題用紙はホチキスで左上を綴じられて冊子になっている。

・III型試験は紙の問題用紙と、主病変副病変をまとめて書く用紙1枚(罫線あり)と、2つの小問の答えを書く用紙1枚(それぞれ解答欄はA4半分。罫線あり)と、フローチャートを書く用紙1枚(罫線のない紙)と、下書き用紙(罫線あり)だった。問題用紙と下書き用紙の記載内容は採点には含まれないと注意書きがあった。

・剖検マクロ写真のPDFは、各席のパソコンのデスクトップにパスワードロックのかかったファイルが存在しており、試験委員の指示でパスワード(jspなんちゃらみたいなやつ)を入力して解除して閲覧できるようになる。写真はA4 1/2から1枚程度のサイズでかなり大きい。バーチャルスライドは番号管理されたSDカードが各受験生に配布されて、それを差し込んでリムーバルディスク内のフォルダを開くと見られるようになっている。

・バーチャルスライドは浜松ホトニクスのNDPviewerで閲覧する。ウインドウ左側にマウスを持っていくとツールバーが出てくるので設定マークをクリックして初日に設定をいじっておくとよいです。ガンマ補正は1.0か0.9程度がおすすめ。マウス操作の慣性はゼロにしましょう。慣性で動いている間の画像はパソコン(レンタルのDynabookでした)の処理が追いつかないのでどうせよく見えません。矢印キーのスクロール範囲を固定する機能をオンにして、スクロール範囲を視野の50%程度にすると、標本全体をスクリーニングしたい時に矢印キーを使えるので便利です。

・あと絶対覚えておくといいのはNDPviewerにおいて、O(オー)ボタンを押すと、現在表示しているバーチャルスライド画像のあるフォルダ内の画像一覧が小さなウィンドウ内にサムネイルで表示されます。それをクリックすると見たい症例画像にすぐ飛ぶことができます。TabキーやShift+Tabキーを押すことで次の画像や前の画像に行ったり来たりもできますが、それよりも便利だと思います。

・試験時間が終わるとSDカードと問題用紙、解答用紙、下書き用紙は回収される。

・III型問題ではマクロ写真はPDFで、バーチャルスライドはNDPviewerで見るので、手元の問題用紙を見つつ、それぞれのウインドウを切り替えたりするのがちょっとしんどい。

・I型問題は写真問題。手元に問題用紙が配られるが、写真はパソコンのPDFで見る。

問題文は例えば

◯歳男性 3年前から増大傾向にある後頸部腫瘤切除検体

◯歳女性 子宮頸部切除検体

のような簡素なものが多いが、必要に応じて既往歴であったり手術歴や症状だったり、誘導となる情報が書かれていたりする(肝エキノコッカスの北海道渡航歴とか、直接的すぎるやつも)。写真問題なので、免染結果が写真で提示されることもある。

写真は横向きA4サイズのPDFに、4分割程度の大きさで各画像が添付されている。写真ファイルはデスクトップにパスワード付きのものが置かれておりIII型と同じ。写真といってもミクロ像とは限らず、マクロ画像だったり、フローサイトメトリーの結果グラフ(CLLを診断させる問題でCD5陽性、Bcellマーカー陽性を示していた)だったり、ヨード染色を施した食道ESD検体のマクロだったり、卵巣腫瘍の割面(線維腫)だったり色々である。

記述で答えるのが難しそうな問題は選択式になっていることがある。その場合は解答用紙に1)〜5)まで印字されているので該当の記号に丸をつけて解答する。

ちなみにそれぞれの問題の解答欄は、A4用紙の1行よりやや短い程度なので、多少の長文は頑張れば書けるが正答を書くだけならもっと小さくても大丈夫だろう。

・17時ごろから18時半ごろまで面接試験となる。チュートリアル室が面接会場となり、受験生は10人程度ずつ各ブースに振り分けられている。1人が面接ブースに入ると、その次の1人は試験会場の講義室から呼び出されて、面接ブースの扉の前の椅子に座らされる。前の受験者の声が大きいと、多少面接内容が聞こえてくるが、面接の内容から言っても大勢に影響は無いと思われる。

・試験会場から面接ブースに向かう際には荷物をまとめて退出するかたちになるので、その日はもう試験会場に戻ってこられない。試験委員の先生方がいちいち引率してくれるので大丈夫と思いますが、座席に忘れ物はしないようにしましょう。

・試験会場では最も最後の人になると最大1時間半程度待ち時間が発生するため、文庫本または新書を読むことが許されている(ただし、面接での試問対策になるような病理学関連の本は禁止されており、ブックカバーも禁止である)。まあ、前日に焦って本屋に向かって文庫本を買うぐらいなら、病理診断クイックリファレンスを穴があくほど読んだほうがいいし、実際の待ち時間は机に突っ伏して寝たり、お菓子を食べたり、自分の書いた答案のことを考えて不安になったりしているとあっという間に過ぎると思う。

・I型問題を解かされている間に、面接官(各ブースに教授クラスが2名ずつ)は自分の担当する受験者のIII型解答用紙を軽く採点している。面接官は模範解答のフローチャートや、問題となった症例の追加の特殊染色結果が印刷された紙、重要な組織所見がアップで印刷された紙などを持っており、受験者にそれを見せて試問してくることがある。

・面接会場は昨年の秋葉原では面接官側のみテーブルがあったらしいが、本年度は杏林大学チュートリアル室だったので、小さなテーブルが組み合わされロの字型に置かれており、窓側に2人の面接官が座って、ドア側に受験者が座るスタイルだった(つまり革靴を履いていても一瞬しか面接官には見えない)

・面接は10分間である。面接官の性格にも当然よるだろうが、まずは試験の感想を聞かれる。素直に「時間足りませんでした!」とか、「あそこの所見がよくわかりませんでした!」とか言って良い子アピールをしましょう。HEしか提示しなくてこの試験不公平ですよね!みたいなことをどうしても言いたいのであれば、婉曲したほうがいい(HEしかなくて難しくて…とほほでしたよみたいな。面接官もそこは理解しているはずなのであくまで和やかにしましょう)その後、受験者の答案において模範解答と比べて足りなかったポイントを、誘導質問だったり、試問だったり、あるいは直接指摘してくれる。NASHからHCCができたと考えたみたいだけど、NASHと考えた理由は何があるのかな?とか、一般的な大動脈解離の原因には何があるかな?(僕は嚢胞状中膜壊死の所見を答案に書けなかったので誘導してくれた)などである。そこで正答したりすると、加点がなされる(どの程度答案の不足を補ってくれるのかは不透明)らしい。とにかく面接官は加点させようとしてくださるので挽回のチャンスを無駄にしないことである。足りない所見を教えてくれたときは「ああー、そうだったんですね!勉強になりました!ありがとうございます!」というスタイルを貫くのが大事と思われる。

「どうして病理医になろうと思ったの?」のような雑談は、おそらく答案があまりにpoorだったり、逆にあまりに完璧で面接官が言うことがないと質問される可能性もあるかもしれないけれど、僕の場合は答案が雑だったので(?)10分間で一切脇道に逸れることはありませんでした。


・III型試験が終わる時間は受験生によってまちまちなので、そのまま流れ解散になる。なので早い人は17時過ぎに、遅い人は18時半過ぎに解放される。翌日8時開場の8時半集合なので、早めに寝なければいけないが、よほど完璧でない限り面接で不足部分を必ず指摘されるので、直後に心が落ち着いている人はほとんどいないと思われる。

・試験1日目の夜に気を抜いて夕食を楽しんだり遊ぶ人もいるが、II型問題の点数を上げたいならやはり病理診断クイックリファレンスの疾患を

「HE所見だけで」←ここ大事!!!

鑑別するにはどうしたらいいか考えるべきである。そして嬉しいことにI型問題で出題された疾患は翌日出る確率がかなり低いので、マトを絞った対策が可能になる。免染必須の疾患が出る可能性もやや低い。そのため勉強の追い込みをやっている人が実際はかなり多いと思われる。

僕は調布駅までバスで戻ってマクドナルドで夕飯を食べてホテルに戻り、テレビを見ながら結局1時近くまで勉強してしまった。寝落ちして2時に目が覚めて30分ほど追加で勉強して今度こそ寝た。

 

2023年9月3日(日) 試験2日目

・試験2日目は6時に目が覚めて、食欲があまりないなか、勿体ないのでホテルの朝食を少しだけ食べてチェックアウト。帰りに荷物をとりにくるつもりがあるならフロントで大きな荷物を預かってもらってもいいかもしれないが、僕は吉祥寺経由で帰ろうと思っていたので完全に荷物を持って試験会場へ向かった。7時にホテルを出て7時15分に調布駅からのバスに乗って杏林大学三鷹キャンパスへ。コンビニに寄ってエネルギーゼリーやジュースを調達してから8時前に会場に着いた。30分程度追い込みの勉強をして試験開始である。

・IIa、IIb、IIc問題はそれぞれ1時間で20問を解く。合間に15分のトイレ休憩があるが、前日同様私語やスマホ禁止である。参考書の確認も休憩時間は許されない。問題用紙は冊子で、解答用紙はA4が1枚で、バーチャルスライドはSDカードで配布され、試験時間が終わるとそれらは全て回収された。

・IIa、IIb、IIc問題はすべてHE1枚のバーチャルスライドで出題される。そのため特殊染色や免疫染色の画像は提示されない。60問中3-4問だけ、高異型度漿液腺癌の腹膜病変の出題で「p53陽性calretinin陰性」、あるいは子宮頸部幽門型腺癌の出題で「p16陰性」などが文字情報だけで問題文に示されていた。

・IIc試験は迅速凍結標本や針生検検体やバーチャルスライドになっている。IIa問題のびまん性硬化型乳頭癌とIIc型の細胞診問題はZ方向に+6〜-6μmまでピント調節ができるようになっていた(が、ピント合わせが面倒なだけで正直なところ要らないと思った)。

・12時半に試験が終わると、試験の質などについてアンケートを書いて終了。試験委員長の柴原先生が9月9〜10日の診断サマーフェストに500人参加してくれないと赤字になっちゃうよ〜んみたいなことを言っていたが、受験生はみな上の空で聞いていたと思う。自由記載欄に文句をいっぱい書く人がいそうだと思っていたのに、みんな早々に部屋を出て帰って行ってしまった。今後の試験のために改善点を書いてあげるべきだと思ったのでI型写真の大きさがA4の1/4で小さすぎると書いておきました。

 

その後は吉祥寺にバスで向かって同期と反省会と近況報告をしあって、帰ってきました。あー疲れた。落ちてたら来年も受けなきゃいけないけど、もう杏林大学はやめてほしいです。バスの時間が不安だし、2日目の朝の集合時間に間に合うような場所にあるホテルも少なすぎ。関東圏の受験者たちはおそらくだいぶ早起きして受験してると思いますね。

もう飽きたよーん。

見識を広げることに飽きた。

情報が氾濫している社会。実際に旅行に行かなくても大体の場所のことはわかるし、学校に行かなくても大体のことは調べるとなんとなくわかる。知らない場所に住み知らない職業に就いている人の悩みや幸せが、インターネットにもテレビにも本にも溢れており簡単に疑似体験できる。

そりゃ実際に体験してみると、付加される情報はそれなりにあるだろうけど、何十年か生きて経験値を積んでいると、その付加情報に伴う感動体験や苦痛の程度もだいたい類推できてしまう。

 

それでもなお人の世は、僕に新たな知識や技術の習得、新たな立場での仕事や生活を強いてくる。正直うんざりだ。別にもう新たな見識を積極的に得ようとしたくない。動かなくても僕自身はどんどん歳をとって、外界はどんどん変化して、日々の生活の中で小さな変化や学びはいくらでも起こりうるのだ。僕にとってはそれで十分なのだ。

昨日の投稿をChatGPTに校正させてみた。

昨日の投稿についてChatGPTに放り込んで校正させてみました(手抜き)。

どう違うのか読み比べてみてね(僕は忙しいので)。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

急に政治の話題で恐縮です。

でも、ちょっと心配なんですよね。日本の社会、どうなっちゃうんじゃないかって思ってさ。

実は、僕の職場には40代のママたちが何人かいるんです。彼女たちって、なんだかいろんな意味で逃げ切り世代なんじゃないかって感じるんですよ。これからは結婚や出産、休職してから復職することも、以前のように上司や同僚が忍耐強く支えてくれる時代はもう終わりそうだよね。今後は本当の男女平等が求められるし、僕たち20代は男女平等を育んだ時代の産物だから、もっと大変なことが待っているかもしれないな。

そもそも、昔から女性ってさ、自分と家族の生活で手一杯だったんだよね。科学技術の進歩で家事は楽になったし、力のない女性でもできる仕事が増えた。交通網の発達やグローバル化、子供の教育競争で全国的に就活や転勤が当たり前になったおかげで、地方のコミュニティが衰退してしまったんだよね。女性の役割も変わってきて、「外で働いて稼ぐ」ということも女性に求められるようになったんだ。でも、仕事には責任がついてくるわけで、実際には責任に耐えられない女性がメンタルクリニックに通ったり、長期休職して職場に迷惑をかけたりしてるから、日本の労働環境はどんどん悪くなっていくんだよね。

こんな環境に若い世代が飛び込んで活躍できるのかなって心配になるよね。もし僕が彼らの立場だったら、そもそもそんな環境には関わりたくないと思うな。若者たちは頭のいい奴らばかりだから、これまで先進的だと思われていた職場も2020年代以降はどんどん崩壊していくだろうね。そんな職場に魅力を感じる若者は少ないし、もし間違ってそこに入ってしまっても、転職サービスやマッチングアプリを使っていいパートナーを見つけて早々に辞めちゃうんじゃないかな。

女性の活躍って言っても、本当はちょっと複雑なんだよね。女性っていつも自分自身と家族のことを第一に考えてるんだ。もちろん例外もあるけど、一般的には女性は責任を負うのを嫌うんだよね。それを批判してるわけじゃないよ。それが女性の本性なんだと思うんだ。自然の摂理ってやつだよね。女性がそうじゃなかったら、僕たちはこれまで生きてこれなかったかもしれないんだよ。だから、これからの時代は日本人にとって試練の連続になるんじゃないかなって思うんだ。

とにかく、現代はちょっと暗いんだよね。

少なくとも、僕の周りには同じ考えの人たちがいてほしいんだ。もちろん理解のあるパートナーがいたら最高だけど、現実的には難しいよね。ただ、こんなことを公に言うと人権侵害だとか時代遅れだとか言われちゃうことも分かってるんだよ。なんか狭量な人たちから批判されるのも予想つくしさ。だから、ブログでちょっと愚痴ってみるだけなんだ。

女性優遇はいっときの夢

いきなり政治の話ですまない。

しかし、このままだと日本社会は終わっていくんじゃないかなと思う。

 

いま僕の職場には40代のママが複数人いるが、その人たちが色んな意味で逃げ切り世代なのだと思う。今後は結婚にしろ出産にしろ休職にしろ復職にしろ、これまでのように管理職クラスや同僚たちが耐え忍んで、「女子」たちの自己実現を支援できていた時代はそろそろ終わるだろう。これからは真の意味で男女平等が求められ、現代の20代の男女平等ネイティブ教育を受けてきた世代はさらに煮湯を飲まされることになるだろう。

 

そもそも女性は昔から、自分と家族の生活を考えるだけでもともと手一杯だったのだ。科学技術が進歩し家事が楽になって、産業の高次化にともなって力の弱い女性でもできる仕事が増えた。交通網の発達やグローバル化、頭の良い子供をもれなく受験競争に引っ張り込む教育制度、全国から青田狩りする就活業界や転職産業の成長などによって、地方の人間が都会に出てきたり、転勤も当たり前となって地域の自治活動は崩壊または大幅縮小を余儀なくされた。女性の果たしていた役割もなくなり、もともと男性が担っていた「外で稼いでくる」という行為を、女性も担わされるようになってきた。仕事には賃金が発生する以上は責任が伴う。実際にはその責任に耐えきれない女性が若くしてメンタルクリニックに通ったり、長期休職して職場に大迷惑をかけたり、責任ある立場を急に結婚して辞めたりしているおかげで、日本の労働環境はどんどん疲弊していっている。

そんな環境にこれからの若い世代が送り込まれて、活躍できるだろうか?僕が彼らの立場だったら、そもそもそんな環境に巻き込まれるのはごめんだと思うだろう。彼らは賢い。2010年代以降女性が増えていって先進的だと思われていた職場は、2020年代以降どんどんとそのツケを払わされて崩壊していくだろう。そのような職場に若者は寄りつかないし、たとえ間違えて迷い込んでしまったとしても、流行りの転職サービスを使ったり、マッチングアプリでいい相手を見つけて結婚して早々に辞めていったりするだろう。

女性活躍なんてまやかしだ。女性はいつも自分(と家族)の立場が第一なのだ。もちろん例外的な女性もいるが、一般的に女性は仕事上の損しか追わないような責任をとにかく嫌う。文字通り「男気」がないのだ。それを批判しているわけではない。そういうものなのだ。自然の摂理と言えるだろう。女性がそのようでなければ我々人間はこれまでイエを守っていくことができなかったのだ。その点で言えば、これからの時代は人類(日本人にとってだけかもしれないが)にとって試練続きとなっていくだろう。

とにかく暗い世の中だ。

少なくとも僕の周囲には僕と考えの近い人を置いておきたい(理解のある奥さんがいてくれるとなおよいが現実は厳しい)。しかし大っぴらにこんなことを言えば人権侵害だの時代錯誤だの価値観のアップデートが済んでいないだの(なぜあなたの価値観の方が上位だと思っているのか?)、近視眼的な視点しかない人たちからしょうもない批判を受けるのはわかりきっている。だからこうしてブログでちょっとだけ嘆いたりしてみるのだ。